先日まででおおまかなプラグイン開発の流れがつかめましたので、ここで学習を深めるためにもう一度はじめからおさらいしてみようと思います。
AWS Cloud9で開発環境の構築
場所と端末を選ばず開発ができるということで、AWS Cloud9でWordPressの開発環境を構築します。開発環境とは、本番と同じ環境でプログラムを試せる環境です。いわゆるLAMP(Linux+Apache+MySql+PHP)がセットになった環境です。
以下はAWS(Amazon Web Service)のアカウントを持っていることを前提に説明します。
STEP1- AWS にサインインする
AWSを開くとこのような画面が表示されます。まだアカウントをお持ちでない方は無料アカウント作成で作成しましょう。
すでにアカウントを持っているなら、コンソールにサインインをクリックします。
するとこのような画面が表示されますので、設定したパスワードを入力しサインインをクリックします。
多要素認証(二段階認証)を有効にしている場合はこのような画面が表示されます。スマホのAuthenticator(Mac版アプリまたはAndroid版アプリ)で表示された6桁の数字を入力します。
STEP2 – AWS Cloud9を起動する
AWS マネジメントコンソールが開いたら検索窓で「Cloud9」と入れて検索します。
Create environmentをクリックします。
名前と簡単な説明を入れてNext stepをクリックします。
するとこのような設定画面が出ます。上記のようであればそのままで良いのでNext stepをクリックします。
プレビュー画面が出ますので、確認してCreate environmentをクリックします。
AWS Cloud9起動画面が出てCloud9が起動します。
これで、AWSのクラウドストレージ(EC2)上に開発用のスペースを確保し、統合開発環境であるCloud9を起動することができました。
Cloud9にWordPress環境を構成する
さてここからは、Cloud9上でWordPressの開発環境を作っていきます。
▼ その方法はこちらの記事に書いています
とはいえ、この記事でも大まかに説明します。
お宝シェルスクリプトでWordPress構築
LinuxのrootユーザとはLinuxの管理者の事です。先程作成したAWS Cloud9の開発環境はLinuxというOSがベースになっています。Linuxシステムを自由に編集することができる最高権限をもったユーザがrootユーザーということです。
Linuxのrootユーザのパスワードを設定する
初期設定でrootユーザーのパスワードは設定されていないのでこれにパスワードを設定しておきます。そのためにはLinuxと対話するためにシェルを使います。Cloud9ではTerminalといい、デフォルトでは右ペインの下にあるうすい水色の部分です。
rootでログインしてrootのパスワードを変更します。手順は以下の通りです。
$ sudo su - //rootでログイン
# sudo passwd root Changing password for user root. New password: 設定するパスワード Retype new password: パスワード再入力
//成功すれば以下のように表示されます passwd: all authentication tokens updated successfully.
# exit; //rootから抜けます
この時点でのCloud9の画面
AWS Cloud9の初期画面はこんな感じです。右のペインにはWelcomeページが表示されていて、左のペインにはファイル構造を表示するツリー(今はなにもない)が表示されています。Welcomeページは閉じて構いません。(ここではCloud9の使い方は詳しくは説明しません)
シェルスクリプト用に新規ファイルを作成
こちらのサイトにあるシェルスクリプトを実行するために新規ファイルを作成します。左ペインのフォルダアイコンを右クリックしてNew Fileを選びます。
そうすると新規ファイルができファイル名が「Untitled」となっていますので、これを「wordpress_install.sh」(任意のファイル名でOK)に変更します。
こちらのサイトにあるシェルスクリプトのテキストをwordpress_install.shにコピペして保存します。次にこのファイルの設定(赤字の部分)を変更します。
ROOT_PASSWORD=rootのパスワードに書換 DB_NAME=作成するデータベースの名称に書換(ハイフン、バックスラッシュは使わないでください) WP_USER=作成するデータベースの管理ユーザ名に書換 WP_USER_PASSWORD=作成するデータベースの管理ユーザのパスワードに書換 TABLE_PREFIX=作成されるデーブル名の共通する頭文字に書換(例: wp0001_)
例)
ROOT_PASSWORD=rootpwd(先に設定したrootのパスワード) DB_NAME=mydbname WP_USER=mynane WP_USER_PASSWORD=mywppwd TABLE_PREFIX=wp_
設定が終わったら保存してwordpress_install.shを閉じます。
シェルスクリプトのパーミッションを変更
詳細は省きますが、シェルスクリプトを実行するためにwordpress_install.shに対し実行権限を与えます。以下のコマンドをTerminalで実行します。(ec2-userのままでOK)
$ chmod 700 wordpress_install.sh
シェルスクリプトを実行
いよいよWordPressをインストールします。以下のコマンドをTerminalで実行します。
$ ./wordpress_install.sh
やったー! なにやら自動的にファイルができてきてますよー
これでCloud9にWordPress関連のファイルがすべてインストールできました。
WordPressを設定する
WEBサーバーPHP環境をRUNする
上部のメニューでRun/ Run With/ PHP(build-in web server)を選ぶとWeb Serverが起動します。(止める場合はTerminalのStopをクリックします)
WordPressをプレビューする
上部のメニューでPreview/ Preview Running Aplicationを選ぶと,
こんな風になり「なにこれ?」ってなりますが、今は気にしなくて大丈夫です。
右にあるアイコンでブラウザの新規タブで開きます。
WordPressの初期設定画面が開きますので、ここで項目を入力してWordPressをインストールしてしまいます。
じゃーん!Hello world!
そこで、このWordPressサイトのURLをコピーし、Preview URLに登録しておきます。Preview/ Configure Preview URL…を選ぶと、
Cloud9の設定画面が開きますので、Preview URLに先程コピーしたURLをペーストします。
と、このようにPreviewから選べるようになります。これを選ぶとブラウザの別タブでプレビューを開くことができます。
WordPressをデバックモードにする
以上で一応WordPressの開発環境が構築できたわけですが、wp-config.phpを編集してWordPressをデバックモードにするとエラー情報を表示してくれるので開発には便利です。
wp-config.phpのパーミッションを変更する
今回の手順でWordPressをインストールした場合、wp-config.phpはパーミッション(権限)がなく編集できなくなっています。まず、wp-config.phpのパーミッションを適切に変更します。パーミッションの変更方法についてはCodexをご参照ください。
wp-config.phpを編集して保存
wp-config.php内の該当部分を以下のように変更します。
define('WP_DEBUG', true);
ファイルを保存して完了です。
データーベース接続エラーになる場合
MySqlがストップした場合、データーベース接続エラーになります。その場合、Terminalに以下のコマンドを実行することでMySqlを起動できます。
$ sudo service mysqld start
まとめ
これでめだたくAWS Cloud9上にWordPress開発環境が構築できました。WordPressでプラグインを開発するには、この後もたくさんやることがあります。その後の出来事は以下のブログに書いていますので良かったらご参照ください。
https://www.kantan-pro.com/category/%e9%96%8b%e7%99%ba%e8%80%85%e3%83%96%e3%83%ad%e3%82%b0/%e3%82%ab%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%b3pro-for-web/
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